あなたが普段飲んでいるお酒、スーパーやコンビニに行くと本当にたくさんの種類がありますよね。味や素材、度数が違うのは何となく分かっていても、具体的にどんな種類に分けることができるのか知っている、という方は少ないのでは。
今回はソムリエ資格を持つ私が分かりやすく徹底解説していきます!これを読めばいつもの晩酌がもっと楽しくなるかも!?
お酒は大きく分けて3種類
そもそも「お酒(種類)」とは日本の酒税法上、「アルコール度数1%以上の飲み物」のこと。
原料や製法によって実に多くの種類がありますが、大まかに分けると3つに分類することができます。
- 醸造酒(ビール・ワイン・日本酒など)
- 蒸留酒(ウイスキー・焼酎など)
- 混成酒(リキュール・梅酒など)
ではそれぞれどのようなものか見ていきましょう。
醸造酒
醸造酒は原料中の糖分を酵母により発酵させてつくるお酒です。この「酵母」という微生物、糖分を食べてアルコールや炭酸ガスを生成してくれます。けっこうシンプルですので、最も歴史が古いのもこの醸造酒です。アルコール度数がそこまで高くないのも特徴。
では日本でポピュラーな醸造酒をいくつかご紹介しましょう。
ビール
さっそく来ました。私も大好き、ビールです。仕事後のビールってなんであんな格別なんでしょうね。
さて、ビールの原料は水・ホップ・麦芽。「糖化」させていくと糖ができます。糖化…なんか理科で習った記憶ありますよね。ごはんを噛んでいると甘くなっていくアレです。糖を含んだ麦のジュースに酵母を加えて発酵させるとビールの出来上がりです。
アルコール度数は5%前後が主流。しかし最近は度数の低い「微アル」「低アル」ビールも増えていますし、地ビールや海外ビールだと度数が10%を超えるものも。多様化が進み、楽しみの選択肢が増えている印象です。
ワイン
原料のぶどうを潰し、そこに酵母を入れ発酵させて作ります。原料がぶどうのみと非常にシンプルなので、ぶどうの品種や栽培地によって味わいや香りが変わる奥深いお酒です。
度数はだいたい11~14%。ビールより高めで「お酒弱いから苦手…」という方もいるかもしれませんが、最近はワインをベースにした缶チューハイを各メーカーが発売しており、度数も5%前後と低く飲みやすいので、そちらも試してみるのも手かも。
日本酒
米と米こうじ、水を原料として作られます。「米こうじ」とは米に麹菌をつけて繁殖させたもの。製造工程がなかなか複雑なのですが、ものすごく簡単に言うと、蒸した米・米こうじ・水・酒母(酵母を培養したもの)を混ぜて発酵させたお酒です。
度数はワインと同じかやや高めの15%前後。ややこしいのですが、日本酒にはアルコール度数とは別で「日本酒度」というものがあります。数値が高ければ辛口、低ければ甘口です。
また、近年”Sake”として世界での人気も高まりつつあります。
その他
・ミード…はちみつを醸造したもの。世界最古のお酒と言われている
・シードル…りんごを醸造したもの
など
蒸留酒
お次は蒸留酒です。「蒸留」とは水とアルコールの沸騰する温度の違いを利用し、アルコールの濃度を高めること。醸造酒を作った後、この「蒸留」の工程を行ったものが蒸留酒です。「スピリッツ」と言ったりもします。
アルコール度数はもちろん醸造酒より高いですが、蒸留により含まれる成分もそぎ落とされるので、醸造酒よりカロリーが低いことが多く、ダイエットしてるけどお酒を飲みたい!な人にはおすすめ。
ウイスキー
原料は穀物(大麦・小麦・トウモロコシなど)と水です。麦と水を発酵させ、その後蒸留でアルコール度数を高め、さらに数年~十数年樽で熟成を行います。アルコール度数は40%ほどと、やはり蒸留酒ですので高め。ストレートで飲むのには抵抗があっても、近年流行りのハイボールで馴染みがある人も多いのでは?
ここ10年ほどで日本ウイスキーの人気が世界的に高まり、びっくりするような値段がニュースになることも多いですよね。熟成期間が長い分、すぐに需要に応える生産ができないお酒であるため、こういった状況が生まれていると言えます。しかしこの熟成がウイスキーならではのロマンですよね。
焼酎
芋焼酎・麦焼酎・米焼酎・泡盛、などいろいろ種類がありますので、それぞれ原料は異なります。このそれぞれの原料と、日本酒のようなもの(米・米こうじ・水を混ぜて発酵した一次もろみ)を混ぜて発酵させ、蒸留してつくります。熟成は数カ月~数年とウイスキーほど長くはありません。
度数は20%・25%が主流。最近は焼酎のソーダ缶も種類が増えていますし、缶チューハイのベースとして焼酎が使われていることもありますね。(※チューハイの「チュー」は焼酎の「酎」が由来と言われていますが、焼酎を使わなければならないという決まりはなく、他の蒸留酒が使われることもしばしば)
その他
・ジン…麦やとうもろこし、じゃがいもなどの穀物が原料。蒸留後、ジェニパーベリーという木の実やボタニカルを加えて再度蒸留し、独特の風味をつけるのが特徴。最近国産ジンがブームになりつつあるように感じます。
・ウォッカ…穀物や芋が原料。繰り返し何度も蒸留していくので度数40~90%とかなり高め。蒸留後、白樺という木の活性炭でろ過をするのが特徴。ほぼ無味無臭なのでカクテルベースによく使われます。
・ラム…サトウキビの糖蜜が原料。蒸留後、ウイスキー同様樽熟成します。度数は40~70%あたり。
・テキーラ…メキシコのアガベという多肉植物が原料。度数35~55%。こちらもカクテルベースでよく使われます。
・ブランデー…果実を原料とした蒸留酒。ブドウを使うもの(コニャック・アルマニャック)が一般的ですが、リンゴ・サクランボなどいろいろ使われます。
混成酒
これまで説明した醸造酒・蒸留酒をベースに、果実やハーブ・糖などを加えたもの。
例えば梅酒であれば、焼酎やブランデーなどの蒸留酒に梅と氷砂糖を漬け込んでつくりますよね。あとはカクテルなどで使われるリキュールも混成酒です。
度数はベースとするお酒によるので一概には言えませんが、割って使うものが多いためどちらかというと高めのものが多いかも。
まとめ
いかがでしたか?お酒は大きく分けて「醸造酒」・「蒸留酒」・「混成酒」の3つですが、その中には多様な種類があり、そして1種類のお酒にも多様な楽しみ方があります。他の記事で詳しく紹介をしていきますので、ぜひ好きなものと出会い、楽しんでみてくださいね!
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